樹木と花-16

綱島古墳端斜面・ムラサキシキブ

ムラサキシキブ。(クマツヅラ科ムラサキシキブ属)
 山野に生える落葉潅木。高さ3~4米に達し、枝が発達している。葉は対生し長さ6~10糎、長楕円形、両端はしだいにとがり、縁には細かい鋸歯がある。6~7月葉腋から集散花序をだして、淡紫色の花を多数つける。花冠は直系3~4㍉、長さ3~5㍉の筒状で先は4裂し、裂片は平開する。果実は球形で直径3~4㍉きれいな紫色に熟す。和名はこの美しさを紫式部にたとえたとの説がある。幹の用途は大鎚(ハンマ-)の柄や大工道具の柄、杖などに利用される。
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樹木と花-18

綱島街道沿いの古木・クスノキ

クスノキ。(クスノキ属)
 暖地に生ずる常緑喬木で鬱蒼とした大木になり、古くから神社などに植えられている。樹高25米、直径2米以上にも成長する。時には樹高50米、直径8米にも達するものもある。樹皮は暗褐色で縦に裂ける。葉は互生し、長さ5~10糎の卵形または楕円形で、先はとがり、基部は広いくさび形、葉脈は葉の下部で3脈に分かれ、中央脈には数対の側脈がある。葉を切ると樟脳の匂いがする。5~6月葉の付け根から円錐花序を出し、黄白色で5㍉程の花を多数つける。果実は直径8㍉程の球形で、10~11月黒く熟す。
 用途。公園・街路樹、建築、家具、船舶、彫刻材、樟脳。
樹木と花-19

綱島街道沿いの露頭・
カモシダソウ(東の限界)

樹木と花-17

弁天池のカエル

樹木と花詳細2
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9 氷場・タムケヤマ。
12綱島公園・イチョウ
15綱島公園・綱島稲荷前・モミジ&紅葉
樹木と花-08
長屋門・サルスベリ&セキショウ

サルスベリ。(ヒャクジツコウ)ミソハギ科サルスベリ属。
 屋久島地方には原産の野生種があるが、江戸時代以前に渡来したと伝わる。
 落葉小高木で高さは3~9米。幹はなめらかで淡褐色、薄い樹皮がはがれた跡が白い。葉は倒卵状楕円形で全縁、長さ3~8糎。花は7~9月枝先の円錐花序に直径3~4の紅紫色、または白色の花を次々に開く。花弁は6個で円くてしわが多く、基部は急に細くなる。萼は6裂し雄しべは多数あり、外側の6個が長い。雌しべは1個。実果は球形。   
※セキショウ。(テンナンショウ科)
 せせらぎや池沼の辺に多く群生する常緑の多年生草本で、根茎は横走し太く白く往々淡紅色を帯び、節多く細い髭根を出す。葉は向かい合って長剣状で平滑、長さ30糎内外、幅1糎内外、中肋は不明で脚部は互いに抱き合い、芳香がある。初夏葉状の花茎の中程に5糎許の円柱状の花穂を側出し淡黄緑色の小花を密集する。往々庭園の水辺に栽植され、斑入品や矮小の園芸種がある。

樹木と花-10
綱島公園・クマザサ&シダ

クマザサ。(ヤキバザサ、ウマザサ)(ホモノ科)
 通常鑑賞笹として庭園や公園に栽植する常緑竹品。繁殖力は非常に強い。地下茎は細長く強靭にして、地中を横走し先端は稈となる。稈は細長く中空の円柱形にして直立する。高さは40~100 糎、上部は疎に分枝し毎節に1葉をだす。長さ13~23糎、幅4~7糎の長楕円形。冬期は葉縁が白く変わる。名も葉縁が白く隈取りすることからきている。葉には殺菌力があり、腐敗菌を防ぐ効力がある。寿司の下に敷いたり、重箱の底に敷くのは腐敗を防ぐためである。笹だんごも腐敗を防ぐので長持ちがする。

樹木と花-11
綱島公園見晴し台・古木群
クロマツ、アラカシ、コナラ、アカシデ、シロシデ、エゴ、キフジ、サワラ、ヒノキ、ムクゲ
樹木と花-13
綱島公園・サクラ・シイ
サクラ。ソメイヨシノ。(バラ科)
 江戸末期。江戸染井の植木屋によって広められた園芸品種と伝わる。樹木の成長が早く、花が華麗なので公園樹、街路樹として全国で植えられ、栽培されている。樹高10米、直径60糎内外に達する落葉高木。地上2米ぐらいで数個の枝に分かれ、広い円形の樹冠をつくることが多い。樹皮は灰黒色。葉は楕円形、長さ7~10糎、幅4~6糎。3月末から4月上旬、新葉の展開前に花を開く。散形花序に4~6個の花をつける。5弁、直径3糎、初め淡紅色、後花の中心部以外はほとんど白色となる。果実は6月、黒紫色に成熟する。

シイ(ツブラジイ)
※ツブラジイ(ブナ科)
 雌雄同株の常緑高木で、樹高25米、直径80糎にも達し、樹冠は幹の上半で広い円形となる。独立木では下部から太い枝が出て、主幹は太く短く幅の広い大形円形の樹冠となる。樹皮は青灰色で、比較的なめらかで、枝をよく分岐する。同種のスダジイは、海岸山地に多く、樹皮が黒褐色で深く縦裂する。
 葉は互生、有柄、楕円形で先端も基部もややとがり、長さ5~10糎、幅2~3糎、やや光沢のある深緑色。花は5月下旬に新らしい枝の葉の腋に着き斜上する。長さ5~10糎、黄色く尾状、20個程で先端部は雌花、基部は雄花である。果実は開花の翌年の秋10月頃成熟する。種子は食用。材は建築・家具・船舶・燃料・シイタケの原木、樹皮からは褐色の染料をとる。
樹木と花-14
綱島古墳 クマザサ、シュロ
シュロ。(ヤシ科)
 ヤシ科の中で最も耐寒性の強い園芸品種。雌雄異株で直幹、枝はなく先端に団扇状の主脈を欠く大形長柄の葉を数十枚四方に広げる。葉柄の基部は幹に接する所で急に拡大して長い偏平3角形をなし、これで幹を抱いている。

夏の初めに、葉の間から花枝を出し、黄色の6花被片を有する微細な花を無数につける。葉柄の基部の縁辺から暗褐色の交叉した粗繊維でできた鞘部が発達し、葉柄の基部から上部を40~50糎にわたって、幹を固く包む。この鞘部がシュロ皮である。シュロ皮の繊維は腐朽に強く、植木や生け垣を縛る縄や、箒、敷物、刷毛など用途は広い。材は上下の太さが均一で鐘撞棒などに利用される。

樹木と花-20

諏訪神社・ケヤキ&紅葉

ケヤキ。(ニレ科)
 雌雄同株の大喬木、樹高50米、直径3米にも達するものもある。樹皮は灰褐色で粗面、壮齢木までは横しわがあるが、老齢木になると鱗状にはげることがある。枝はよく分岐する。葉は互生2列着。葉柄は短く、葉身は長楕円形で、先はとがり基部は円形に近く、葉縁には鋸歯があり、長さ3~7糎、幅は2糎程である。上面は深緑色、下面は淡緑色。4~5月頃開花、雄花には短い柄があり、新しい枝の葉の腋に束生または単生する。果実は小形の石果で、直径5㍉ほどで10月に成熟する。種子を集めて鉢植えすると、寄せ植えの盆栽ができる。用途。街路樹、公園樹、庭園樹、材は弾力があり、木理は美しく特有の木目(杢模様)を現す。高値な建築材。神社仏閣によく使われる。
樹木と花-21

諏訪神社・エノキ&サカキ&シュロの群生

エノキ。(ニレ科エノキ属)
 山地に生育する雌雄同株の落葉高木。樹高25米、直径1、5 米にも達する。江戸時代には1里塚に目標樹として植えられた。樹皮は厚く、灰褐色で斑点がある。葉は互生し長さ5~10糎の広卵形、または楕円形で葉縁は鋸歯状である。4~5月、淡黄褐色の小さな雄花と両性花が開く。雄花は新しい枝の下部に着き、両性花は上部の葉の腋に着く。果実は球形の石果、10月赤褐色に熟する。直径6~7㍉、柄の長さ6~15㍉。石果の果肉は甘味があり食用になる。小鳥類も好む。用途。クスの木と同じ。

※ヒサカキ。(ヒサカキ属)

 山地に生える雌雄異株の常緑小高木。高さ4~8米になる。樹皮は灰褐色。葉は互生し、長さ3~8糎の楕円形でやや厚く、葉縁に鈍い鋸歯がある。3~4月葉腋に直径5~6㍉の白い花を束生する。花弁は5個で、雄花にはオシベが10~15個、雌花にはメシベが1個ある。果実は4~5㍉の球形で10~12月に黒紫色に熟す。枝をサカキの代用として神事に使う。サカキは葉が疎らである。
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