樹木と花-04
民家の生垣・ドウタンツツジ&エンジェルストランペット

ドウダンツツジ(灯台躑躅)
 枝の分岐の状、結び灯台の脚に似たるによりその名が付いたという。山地、主に蛇紋岩地帯に自生する落葉潅木、高さ1~3米に成長する。幹は直立して平滑、多く小枝分かれし、密に葉をつける。葉は枝先に輪生状に互生し、長さ2~4糎の倒卵形。先はとがり、ふちに細鋸歯がある。春若葉の下に長さ7~8㍉の壷状の白い花を散形状に吊り下げる。秋の紅葉が美しい。

※エンジェルストラペット(ナス科ブルグマンシア属)
原産地:中南米熱帯花木、熱帯生なので寒さに弱い。苗木から育てる場合は日光のよく当たる場所に置き、風の当たらない所を選ぶ。庭植えの場合は日光のよく当たる場所で、なるべく風の当たらない所を選ぶ。肥料は緩効性の化学肥料をあたえる。冬越の場合は霜の恐れがなくなったら覆いを取り化成肥料を施す。茎がのびてきたら脇芽は取り去る。成長が早いので月1回は追肥を施す。1米以上に成長すると花をつける。枝の先端が3裂し、それぞれの葉の付け根に花芽をつける。葉の長さは30糎程で、幅は10数糎。花はラッパ状で下部が5裂する。葉と同じように大きい。
樹木と花-05

民家の大王松&ムベ

ダイオウショウ(大王松)。
 北米東南部原産。東北地方の南部以西に植えられる庭木。高さ25米程に成長するが、原産地では高さ40米、幹は直径1、5米にも達する。樹皮は暗褐色で厚く、縦に薄く裂ける。葉は暗緑色で細長く枝先に3個づつ密生して垂れ下がる。若木では40~60糎、老木でも20糎以上と松の仲間では最も長い。
 長い葉と枝先から垂れ下がるのが特徴。鉢植え、花材。正月の生け花。

ムベ。(トキワアケビ)
 暖地の山地に生える。葉は掌状複葉。子葉は5~7個。長さ6~10糎の楕円形または卵形。雌雄同株。4~5月葉の脇から短い総状花序をだし、3~6個の雄花とやや大形の雌花を少数つける。花弁は無く、6個の萼片はわずかに淡黄緑色を帯び、内側は暗紅紫色。果実は長さ5~8糎で暗紫色に熟すが裂開はしない。庭木、盆栽。
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樹木と花詳細 1
樹木と花-06

市民の森・ヒノキ&ヤブラン

ヒノキ(ヒノキ科)
 日本特産の樹種で本州中部の山地に多い。雌雄同株の常緑針葉樹、樹高約30米、幹は直径1米程であるが、まれに2米を越すものもある。枝葉は密生し、樹冠は濃緑色で、幼齡木では円錐形であるが、老齡木では卵形ないしは、くずれた卵形や円筒形になる。樹皮は赤褐色で、やや幅の広い裂片となる。葉は鱗片状で、枝の上下左右に十字対生し、密着している。種子は4月ごろ開花し、雄花芽は雌花芽の着生部より下方の2年生以上の主枝から出る1年生枝の新条の先端に着く。雌花は主に主枝の先端の主軸から分岐する小枝の先端部に着く。種は球形、初め緑色、成熟して赤褐色となる。

 用途は建築材としては最高級品であり、また加工材としても利用価値が高い。樹皮は幅広くはいで屋根材として使われる。葉および材からでる精油は薬用に利用される。

※ヤブラン(ユリ科)
 樹林の陰に生ずる多年生草本。葉の上部は垂れ、深緑色で光沢があり、多数密生し50糎内外に達し、線形で幅1糎内外、基部はだんだん細くなり葉柄となる。花茎は葉と同長か少し短く紫色にして、夏淡紫色の小花を、3~5個集まり上部につける。秋緑黒色の球形の果実をつける。根茎は太く短いが、髭根は細長く、小塊を生ずるものもある。根は薬用となる。

樹木と花-07
新設のプロムナード沿いのベニバナハナミズキ&カラスウリ
ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)(ミズキ属)
 米国東海岸からメキシコにかけて分布する。日本には明治中頃に渡来した。
1912年当時の東京市長尾崎幸雄氏がワシントンにサクラの苗木を贈り、その返礼に東京に贈られた木として、よく知られている。
 高さ5~12米にもなり、よく分枝し花付きがよい。総苞片が淡紅色をおびたハナミズキの改良された園芸品種で、各地に広く植えられている。
 4~5月淡紅色で長さ4~5糎の4個の総苞片が花弁のように開き、中央に黄緑色の小さな花が多数球状に集まる。果実は楕円形で深紅色に塾する。
葉は長さ7~15糎の卵形または楕円形である。先はとがり基部は広いくさび形で、裏面は粉白色を帯びる。
樹木と花-01

陽林寺のいちょう・もみじ

 黄葉の美しいイチョウは中国原産と伝えられ、浙江省に野生木があると言われるが、真偽はわからない。日本には古来から広く栽植され、殊に寺社等の境内に巨樹をみる。高さ4~50米、直径5米程になる。火災に会っても枯死を免れる性質の強い樹である。時に乳と言われる木根が幾つもできることがある。材質は均一、緻密、碁・将棋盤・駒、ソロバン玉、張板、裁縫板、爼、木魚など諸種の彫刻財に利用できる。雌雄異株で5月に開花授粉し、10月に種子が成熟する。種子はギンナンと呼ばれ10粒程常用すれば強壮剤、寝小便の予防となる。多量食すると害になる。
※イロハモミジ別名タカオカエデ(カエデ科)
 紅葉の美しいモミジは、落葉高木で樹高10~15米、直径50~60糎、稀には前記の倍に成長したものもある。カエデとは葉がカエルの手に似ているところから名ずけられたと言う。庭木、公園などに多く植えられ園芸品種も多い。
 花は4月、新葉の展開と同時に開き、両端が垂れた翼状となる。翼果は10月に成熟し風に乗り着床する。この種を平鉢に植えると新芽のきれいな盆栽ができる。本州以南の温帯林内に広く生じ、耐陰性が強く、林内で他の樹木の下でもよく生育する。多少湿気の多い場所によく生える傾向がある。

樹木と花-02

民家のヒメシャラ&ナツツバキ

ヒメシャラ・ナツツバキ(ナツツバキ属)
山地に生育し、高さ20米程になる。葉は互生し、花弁は5個白い花をつける。通常旧外皮は剥離し、樹皮はすべすべした斑紋状でリョウブの樹皮に似ているので、遠くからでも良く見える。暑さに弱いので植場所に注意を要す
※ヒメシャラ。樹皮は明るい淡赤褐色で薄くはがれる。葉は長さ3~8糎の広卵形で洋紙質。ふちには浅い鋸歯があり、裏面の脈上に毛がある。6~8月、葉腋に直径約2糎の白い花をつける。花の下には萼片より長い2個の苞がある。実果は木質で白い毛が密生し、長さ1、2~1、4糎の卵形。熟すと5裂して翼のある種子をだす。
※ナツツバキ。樹皮は帯黒赤褐色で薄く剥がれる。葉は倒卵形で長さ4~12糎やや厚い膜質、裏面にまばらに毛がある。6~7月、葉脈に直系5~6糎の白い花をつける。花の下には萼片より短い2個の苞がある。実果は木質で1、5~2糎ほどの先のとがった卵形で、熟すと5裂する

樹木と花-03

見晴し台・タムケヤマ(手向山)

ヤマモミジ系
 葉はイロハカエデより大きく、直径5~10糎で普通7裂する。花は濃紅色。花や翼果はイロハモミジより大きい。枝がしだれる品種も多く、春から紅葉するものを「紅枝垂」といい、緑葉のものを「青枝垂」という。
 一般に『紅枝垂』とよばれるなかで、最も多く植えられている品種である。新芽は紅色で鮮やかであるが、だんだんと紫紅色になり、夏には紅緑色となる。葉は7~9に全裂する。裂片は細く、ふちには欠刻状の鋸歯がある。

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